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読解力 対策 №2        

サピ小4国語B活用法

読解力を育てるのに必要な声かけ。(説明文編)

 国語の読解練習(課題)は、どうしても後回しになってしまいがちです。また、教材の素材文を読んで問題を解くだけ、になってしまうお子さんも少なくありません。そして、読解力は磨くのに少し時間がかかります。そこで、できるだけ無理がなく、コツコツと続けることで効果があるように、ここでは会員向けに提供してきたものを一部ご紹介します。

 教材の素材文から、ここを確認してあげてほしい、という点をピックアップしてあります。親子のちょっとした時間に、確認してあげてください。それを続けることで塾の国語の授業を活かせ、さらには読解力も身についてくることでしょう。(成果を急ぎ過ぎず、コツコツと継続してください。また、塾の授業をどの程度身に着けてきているかを確認するのではなく、親子の楽しい会話になるよう工夫してあげてください。

今回は(小4初期の学習)説明文です。
会員向けの勉強会やCAコースでは、物語文を読み取り練習として下記の要素をおさえて親子の会話を進めていただいています。
この文の話題(問題提起)→例示・対比・類似(引用)→主張の繰り返し

国語B教材『マリモのひみつ』

話題:阿寒湖のマリモがきれいな丸い形になった理由(読解と記述教材1ページ)

 説明文は書いてあることをていねいに読めば解答を導き出すことができる文章のはずなのですが、この素材文からもわかるように、「阿寒湖」ってなに?「マリモ」ってなに?という状態のお子さんが多いので、「阿寒湖」という言葉だけが先にある状態で文章を読み進めることになります。

 日頃から「わからない言葉が出てきてもあわてないで読み進めてごらん」と声をかけておくようにします。この素材文でも、形式段落3⃣で、「マリモは水中にすむ生き物で、わかめやこんぶなどと同じ「藻」という植物の仲間です。ひかく的低い水温を好み、そのすがたは「まり」のように丸く、きれいな緑色をしていることで知られています。」と続きますので、読み進めながらマリモの特徴がわかってくるようになっています。

説明文を読むときに必要な「フック」をつくる

 説明文を読み進めるには「フック」となる糸口を見つけることが大切です。その最初のものが「素材文の題名(出典名)」です。

「マリモのひみつ」を書いた人は、マリモには秘密があるから、こんな題名にしたんだと思うよ。

そうだよ。マリモって自然と丸くなれるんだって。

へぇ~。そうなんだ。①どうやって丸くなるの、ママに教えてよ。

わかんない。(わすれた。)(ママも教材読めばいいじゃん。)

 *もし、このような面倒くさそうな対応だったら、塾の授業は受け身で受講してきていることが多い
  ので、次の日(またはその場で)、音読をしてもらうようにしています。その過程で、「ひみつ」
  を発見してもらうようにします。

 つぎのフックは、「例示」(たとえば)です。上記①の赤字の部分が、素材文の「主題」です。この主題を伝えるために筆者が「例」をあげて説明しています。その例をじっくり読めば、筆者の伝えたいことが見えてきます。

マリモを何かにたとえているところはない?

あるよ。ボールのようなって書いてあるよ。それに緑のじゅうたんのように、とも書いてあってね。

そうそう、「ような」「ように」がついているところだね。綿あめのような雲。ソフトクリームのような雲。こんな風に使えばいいかな。

ママ、新たな「ような」発見!糸くずのような、サッカーボールよりも大きく、まりのように、とも書いてある。

日常の会話で学習への橋渡しをする

・【1】例示

 教材を前にして、親があれこれと話をしようとしてもお子さんはやる気になってくれないことがあります。また、日常会話で鍛えた方がより実践力を身に着けることができるものです。そこで、「例示」「対比」「類似」「引用」などは日常会話での体験で、少しずつ身に着けられるよう工夫していきます。

*お買い物で

ねぇ、あのじゃがいも、面白い形してない?

してるねぇ。

パパに説明するのに何かに似てるってたとえてあげるとわかりやすいんだけど、何かないかなぁ。

あるよ。となりの家のジョン(ラブラドール犬)の頭みたいだって言えばいいじゃん。似てるもん!

ほんとだ。ジョンの頭はジャガイモにてるものね。

子どもだけが体験したことを例示を交えて説明して、というと子どもは面倒くさいと感じます。ですが、親子で体験したことをその場にいない家族に伝えたいときはハードルが低くなるので、協力しあってわかりやすい例を探し、伝えるようにします。そして、その際、最後に、下記②の赤字のように付け加えるようにします。

マリモのボールと同じだね。②例を挙げて説明するとわかりやすいね。ここにいない人に伝えるには「たとえば」って例をあげるといいね。

などと伝え、学習での体験へ橋渡しをするように工夫します。

・【2】対比

このじゃがいもとあちらのじゃがいもはどちらがいいかなぁ。

え~、こっちがいいよ。

なんでそう思うの。教えて。

だって、こっちはごつごつしてないでしょ。でも、あっちはごつごつしてるでしょ。皮をむくのがたいへんだよ。

そうか。あちらよりこちらのいいところを伝えると、わかりやすいね。すごいね。

この対比を使った説明は、教科を横断して算数や理科の理解にもよい影響をおよぼします。たとえば、100円単位のお金が理解できているなら、こっちのじゃがいもとあっちのじゃがいもの値段を比較することができます。さらな、袋入りのじゃがいもなら、1個あたりの値段の対比まで広げることができます。また、産地で対比させることもできます。産地から消費地までの距離が短ければ短いほど、「フードマイレージ」が短いこと。地産地消の大切さ。そしてSDGsに話を広げることもできますね。

*地産地消・「フードマイレージ」・SDGs関連のお話は会員専用サイトをご活用ください。

教科横断型の知識を確認する

①説明文にふくまれている要素がお子さんにとって、とても難しいことがあります。
 「マリモのひみつ」を例にしてお話しましょう。

  • 阿寒湖
  • 北海道
  • 特別天然記念物
  • 直径
  • 酸素
  • 光合成
  • 二酸化炭素など

二酸化炭素・酸素・光合成については、下記の読みもので体験できます。

 わからないことばがあればチェックが必要です。お子さんひとりでは語句調べはできないものもあるので、日曜日など、少し時間が確保できるところでゆったりと調べられるよう工夫してあげてください。CAの生徒さんの中には、「説明文」が素材文の場合、日曜日は親子で辞書をもって近くのカフェで語句調べをして…という方もいらっしゃいます。楽しい親子の時間だとお聞きしています。

お子さんが会話に興味を示さない場合

 お子さんが面倒くさそうにすることがあるかもしれません。そこで、まずはイメージできるように地図帳やインターネットを活用して、阿寒湖やマリモを調べてみてください。

 「算数に時間がかかるので、そんな丁寧な学習をしている時間はないです。」とおっしゃるお母さまがいらっしゃいますが、ここで30分程度の時間をかけて、親子で楽しく会話をしながら調べておくだけで、北海道の地図・阿寒湖の位置・光合成・マリモが酸素を使って浮かんでいることなどを体験することができます。とても有効な時間の使い方だと思いますよ。

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