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テストを活かす

今回は通塾が始まったころのテストをどのように活用しているかについてお伝えします。

テストは子どもを伸ばすカギ

子どもが学習に対してもっとも集中している瞬間といえば、それはテスト中だと思います。

ちょっと手抜きの学習をしてきたなぁという子も、作戦を駆使して取り組んできた子も、テストを受けながらそれまでの学習を振り返ったり自分の弱点と向き合っているはずです。ですから、テスト中に子どもが感じていることやテスト結果をヒントに、学習の仕方やテストの受け方を改善するよう工夫しています。

そのときの目標は、子どもが「改善してよかった思える手ごたえが感じられるように」です。

テストの種類について

塾で行われるテストにはいくつかの種類があります。

  • ① 入塾テスト
  • ② 授業前テスト(1週間に1度の週テスト)
  • ③ 月1回、範囲のあるテスト
  • ④ (3か月に1回程度)範囲のない実力テスト(クラスの変動あり)
  • ⑤ 志望校判定テスト

入塾テスト

①については、これから通塾がはじまる、または転塾を考えている場合に受けるものです。このテストを受けたあとは

テストって思った以上に実力を発揮できないものなんだよ。
テストは点数にばかり気を取られてはいけないよ。
テストはそれまでの勉強の仕方をチェックするものだよ。

今後のために、上記のような言葉をかけてあげてください。

授業前テスト(③週1回実施の範囲のあるテスト)

前回学習した内容を次の授業の前にテストする、または1週間の学習内容を土曜日などにテストする、という塾があります。このテストでは、基本的な内容の理解と、覚えたことを短い時間で正確にアウトプットできるかどうかを確認します。また、テストの結果は、1週間の学習の仕方をチェックし、改善するヒントにしています。

範囲のあるテスト(月に1回など)

このテストで得点できる子どもたちは、言われたことをきちんとこなし、暗記するべきこともしっかりと身に着けているというタイプや、暗記することが得意というタイプです。
 
1か月分の学習チェックですから、まとめて処理をする時間はありませんね。そこで、毎週学んだ基礎の範囲で「まだ自信がない」と感じている問題をピックアップしておきます。

ピックアップの方法ですが、それ専用のノートを作成しています。
ノートに自信がないと感じる問題とその問題の正しい解法を添付し、テストの前のすき間の時間を活用して、何度となく目を通すようにしています。

(このノートの目的はお子さんに「やったことがテストに出た!」「やったことで点数が取れた」という手ごたえが感じてもらうことなので)もし、対象の問題がたくさんある場合は、特に大切だと思う問題にしぼってノートに添付してあげてください。


範囲のないテスト(実力/クラス・組分けテスト)

このテストで点数が取れるお子さんは、もしかしたら得意なものがあったり、または得意科目はあるが不得意なものもある、そんなお子さんかもしれません。または、難しい問題(考える問題)の方がやる気が出るというタイプなのかもしれません。

また、④のようなテストで得点できないお子さんは、暗記ものに抵抗があったり、うっかりミスをしたり、得意でないと感じるものでは点数がとれないというタイプかもしれません。もし、そのようなタイプなら、不得意なものを学習しようというと嫌がります。不得意を得意にするのではなく、「焦らず、時間をかけて」、まずは正解率の高い問題をきちんと理解できるよう、くり返し練習をさせてあげてください。

範囲のあるものでは点が取れる、実力テストでは取れない場合

③の範囲のあるテストでは点が取れるのに、④では点が取れないお子さんの中には、用語や知識を丸暗記していて、問題に合わせて使いこなせていないというケースが多いです。まだ幼いお子さんの場合、イメージが大切です。「先行体験」具体例を活用し、イメージがもてるように工夫をしてあげてほしいと思います。ただし、通塾がはじまるとじっくり先行体験している時間がないので、「読むだけでシリーズ」を活用されることをお勧めしています。

また、④のテストは難しい問題が含まれるので平均点が低い。そんなテストに臨む際、子どもたち「問題が難しいんだよね」「できなかったらいやだなあ」そんなことを密かに感じています。その気持ちがテスト中に影響していることがあります。そこで、テスト対策をする際、「大問1番の計算と、2番の問題は確実に取れるようにしてみない?」とできそうなものを具体的に伝え、そこを中心に確認や復習をしたりします。


志望校判定テスト

小学5年生・6年生に実施されているテストです。

このテストには、志望校の合格率を試すという目的があります。ですが、それ以外にまだ入試まで時間があると考えているお子さんに、「テストが近づいたんだ!」と自覚を持ってもらうという目的もあります。

テストを受けて、少しずつ現実を直視できるようにし、やる気や集中力を引き出すようにします。また、テストの問題は実際の入試問題の傾向にそっているので、全体の正答率をもとに、自分の得意、弱点を洗い出したり、テストの受け方などを改善するのに役立てています。


結果が良くても安心せず、悪くても怒らない

テストで思っていた以上に点数がとれていると、ほめてあげたいですね。でも、あまり極端に喜び、ほめてしまうと、テストを受ける目的が「点数を取ること」になってしまいます。大切なのはミスをしてしまったところやできなかったものができるようになることだと伝えるようにしてあげてほしいと思います。

テストの結果を見てがっかりしないでください。
テストの結果を見て喜び過ぎないでください。
テストは結果からたくさんのよいものを得られるものだと伝えてください。

テスト中に感じたことをゆっくりたずねてみる

「3月、4月は入塾後初めてのテストがあります。」という生徒さんは多いと思います。

テストが返却される前に、テストを受けながら感じたことについて尋ねてみてください。

・すんなりできた問題はどれだったの?
・まだ答案は返却されていないけれど、ミスしたなぁって思う問題はない。
(ある場合は、どうしてそう思うの?教えて)
・テスト前にもっとやっておけばよかったって思うことはあるかな?
・時間配分はうまくいったかな?
・解答用紙はうまく使えたかな?
などなど

ゆったりとした親子の時間に、話題にします。
お子さんの中には「おぼえてない」という子もいますが、そんなときは「次のテストのときは、少し意識してみてね。」と声をかけるようにして、ふり返りを習慣づけるようにしていきます。

子どもが本気でテストを活用して学習の仕方を見直そうかな、と思ってくれるようになるには、テスト対策がつぎのテストで発揮されたときです。少々時間がかかりますので、まずは焦らず取り組んであげてほしいと思います。

「テストの直し」についてはこちらでお話しています。    

お子さんの多くは面白いことにはやる気を発揮します。また、必要だと感じたこと、手ごたえのあるものには前向きになれるものです。反対に、面白くないとか、やっても無駄だったと感じてしまうと、その後、やる気を引き出すのがかなり難しくなります。テスト直しは大切ですが、無理やりやらせるということのないようにしてくださいね。

テストが返却されたら確認すること

 お子さんのテスト中に感じたこと、またできた問題、できてないと思った問題と、実際に返却されたテストの結果を照らし合わせてみます。

  • 算数や理科→途中式はきちんとかけているか。
  • 算数や理科→空欄を上手に使って計算などの処理ができているか。
  • 算数   →補助線を引くなどの工夫がされているか。
  • 国語   →大切な部分に線を入れるなどの工夫がされているか。
    物語文・説明文、それぞれの読み方のルールが使いこなせているか。
  • ○、✖問題 →お子さんの正解、不正解と実際の齟齬はないか。
  • 正解だと思っていたのに✖だった→設問の読み違いかもしれないので、確認します。
  • 時間配分について、再度確認し、日ごろの学習でも時間を意識するように提案する。
  • わからない問題に出会ったとき、どんな処理をしているか確認します。
    もし、その問題に時間を使い過ぎているようなら、スキップして次の問題に取り掛かるよう提案します。
    などなど。

最後に…

 小6の夏までには、つぎのことができるように練習を重ねています。

  • テストの時間配分の仕方
  • 捨てる問題、時間をかける問題の判別
  • わからない問題に出会ったときの対処法
  • テスト中の見直しの仕方

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