長年のカウンセリングや追跡調査により「伸びる子」の親御さんの多くが「小さいときの体験」を大切にされていたことがわかっています。その理由のひとつに机上で体験した知識に出会うと「あっ、これ知っている!」とやる気スイッチがオンになるからだとわかっています。
目次
土台を育てる先行体験・弱点を補強する後方体験
小さい時の体験がやる気アップにつながる
先行体験は日常の中にあるものから具体物をつかって
日常の何気ないものを活用し、算数なら足し算や引き算、かけ算、割合などを必要とする数の変化や概念をはじめ、語彙や動植物、地理や歴史、社会の仕組みを体験できるよう具体例を提案しています。(以後、この体験を「先行体験」と呼びます)親子で「○○ごっご」をしたり、お買い物や料理などの家事を通して、具体物に触れ先行体験できる具体例を紹介しています。
算数が好きになるような工夫
幼児期から低学年のお子さんは、日常生活での体験から数の変化や合成、空間認識など数学的な思考力を育てることが、その後の学習に大きく影響を与えること。特に小学5年生ごろからの抽象化された数の問題、空間認識が必要な図形問題、複雑な文章題への対策として成果を上げることを、多くの受験生の入試結果よりわかっています。そこで、具体物に触れながら日常生活で起っている数の変化など、必要な概念を体験できるよう工夫した「先行体験」を提案しています。
四則演算の基礎概念は体験から
計算力は大切です。合否を分けることも多々あります。でも、四則演算の考え方を抽象的な数字の操作で教えてしまうと、「文章力や応用問題になると点数が取れない」「範囲のない実力問題になると点数が取れない」となってしまう可能性があります。計算の仕方を学ぶ前に、日常生活において具体物を通しての体験が必要な理由のひとつがここにあります。
語彙力・読み取り力は思考への橋渡し
学校や塾の授業では、しばしば体験したことがないものを、抽象的な説明で理解するよう求められます。読んで、じっくり考えて、理解していく。そんなプロセスを支えるのが語彙力です。この語彙力も机上での学習の前に、日常生活で具体物を通して身に着ける工夫が必要です。親子でいろんな話をしたり、「先行体験」や読み聞かせや読書を通して語彙力を育てていきましょう。
「先行」だけでなく、苦手意識が出たときの「後方」に
どんなに能力のある子でも、ちょっとしたきかっけで「苦手だ」「わからない」とあきらめてしまうことがあります。いきなり抽象化されたものが飛び出してきてわからなくなっているケースがほとんどですから、弱点克服として、ゆっくりと「先行体験(後方体験)」を実践しながら苦手意識の取り除けるようサポートしてあげてください。
先取り学習はモチベーションの維持が難しくなる
小学生の学習では、「点数が取れる」「わかった!」「できるようになった!」と思えることが、想像以上に子どものやる気に大きな影響を与えます。まだ欲のない年齢ですから、親が声を大にして日々の学習の大切さを訴えたところで、やらされ勉強に終わってしまったり、フルスロットルでの学習を強いられたりするからです。子ども自身がやる気になれるように工夫することが、実は中学受験以後の子どもたちの学習の仕方にも大切な影響を与えることがこれまでの調査結果からわかっています。できるだけやる気を維持し、身体的・精神的負担を軽くするためには復習を優先させることが必要だと考えています。そこで、当方では通塾がはじまるまでは「先行体験」にじっくりと時間を使い、通塾開始の2か月から3か月ほど前からは復習重視の学習レシピを作成しています。
先行体験具体例は時には後方体験にも活用
どの子にも弱点だと思うものはありますが、復習してみると意外とできちゃった!ということが多々あります。子どもは「面倒くさい」ことを避けて通りたがる天才です。解説をよく読まずに「わからない」「できない」。周りの子が「できた」と声を上げると「もういいや」、苦手な先生の授業だと考えることもせず「わからない」、そんなことをきっかけに「苦手科目」「苦手な項目」をつくっているものです。そこで、先行体験具体例としてご紹介しているものを「苦手科目の克服」に使っていただくことがあります。塾で、いきなり、体験が乏しいのでイメージできず…、そんなきかっけを具体物を通して体験することで取り去ることができます。
聞くだけでシリーズ
無機質に暗記をしなければならないもの。それもピカピカに暗記をしないと使いこなせないものがあります。そんな暗記ものを繰り返し聞くだけで身に着けてしまおうというアイテムです。知っているだけで点数が取れるもの、知っていると思考力につなげることができるものを厳選しています。不得意だと感じるものがあれば、後方体験として活用することもできます。
読むだけでシリーズ
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