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親子の時間にちょっと工夫を施すことで、子どもの目がキラキラっと輝いて、「あっ、これ知ってる!」と何かがはじけます。
それが子どものやる気を引き出す入口です。それはわかっていても、親も迷います。そんなときのために原点を確認してみませんか。
子どもの周りには名前を知らない、その役割も知らないものがたくさんありますね。
子どもの世界が外の世界とつながるようにするには、それらとの出合いが必要です。
まずは、その体験の一つひとつを子どもの中にしっかりと積み上げるためには、五感(「見る」「聴く」「味わう」「嗅ぐ」「触れる(皮膚で感じる)」を刺激できるよう工夫します。ことばと同時にイメージ、音、味やにおい、感触などと一緒にことばが蓄積されるので、電気力浮力また、幼児期から学童期の学習は、身の回りのものを扱うことが多いので、体験で得たイメージが役立つことが多々あります。また、机上で「あっ、これ知ってる」と出合う機会が多く、そのきっかけがやる気や粘り強さを引き出すことをサポートしてくれます。
たしかにそうなんです。が、「教える」と子どもの思考はそれ以上進まないことがあります。また、子どもが持っているものは、できるだけ最大限に伸ばしたいですよね。それには「自分で」がとても大切だと考えています。
そこで、五感を使って「ものの名前」や「知ること」を体験し、より鮮明に記憶に残るよう工夫しているんです。(こんな工夫を「先行体験」と呼んでいます)五感を使うことで「自分で」の温度がグンと上昇するんです。
また、せっかく体験で得た知識も、時間が経つと色褪せてしまうことがありますね。そうしないために、日常を利用して同じような体験をくり返すようにしていきます。その甲斐あって、定着率は非常に高いです。(子どもたちの能力に助けられているところはおおいにありですが……)
前述しましたが、学童期の学びは身のまわりのものが題材になることが多いです。また、授業でも「たとえば」というように身近なものを使っての説明が多いです。そんなこともあって、学童期は日々の生活において工夫されることをお勧めしています。
そして、最初の関門となるのが、小学校高学年です。少しずつ学習やその解説の中に抽象的なものが登場し始めます。特に算理の分野ではイメージできないものが増えます。
たとえば、化学分野で「水の分子が…」と説明されても、「水の分子ってなに?」となります。先生は「水はつぶつぶの集まりなんだよ。そのつぶつぶが……」と子どもたちができるだけイメージしやすいように説明を駆使してくれます。そんな努力もあって、分子の説明を何とか乗り越えても、物理分野が立ちはだかります。
ものには力がはたらいています。たとえば重力です。
はいはい。重力ね、聞いたことがあるね。
またその他にも、磁力、摩擦力、抗力、電気力、弾性力……
聞いたことがないことばが、どんどんと登場します。説明されてもイメージができない。さらには「浮力とは」の説明にいたっては、
流体が流体中の物体に及ぼす上向きの力です。
流体?流れるものか、流体中のものが物体って、流れてるものってこと。それに上向きの力って???
やっとのことで「海で体が浮くのは……」と理解できても、問題に取りかかろうとすると、ちょっとした応用問題にも手こずってしまう。「ああ~、浮力って……」となって、ここでも潔く「浮力の問題は解けない」と諦めてしまいます。
こうなるのを恐れて、先生はいろいろ身のまわりのことをとりあげて説明をしてくれるのですが、なかなか頭に入ってこない。という子が多い分野です。こんなことが続くと、子どもは「面倒だ!」となり、潔く「浮力は無理、物理は苦手」となってしまいます。
周りの大人は点数が取れないから不得意だと思ってしまうんだ。点が取れればやる気になる、と考えます。だから、今度のテストのときは「覚えちゃいなさい」「やり方を暗記しちゃいなさい」となるんですね。テストで点数を取れるとやる気になるケースはありますが、このやり方が通用するのは小学校までです。先々においては「破綻」のにおいがしませんか。
「先行体験」の開発のきっかけは、「ここを食い止めたい」と「膨大な暗記で勉強嫌いにさせたくない」からはじまりました。
子どもたちは「先行体験」で会得した知識や情報に机上で出合うと、「あっ、これ知ってる!」とやる気スイッチがオンになります。
子どもというのは大人とちがって、前向きです。ポジティブです。「あれ、わかるかも」「知ってる!」となると、足がどんどん前進できる力を持っています。
受験システムをスキップすることができないので、どうしても小・中・高校の学習に意識を使ってしまいますが、そこで学んだことはもちろん、学び方やその質も深さも、その後の子どもたちに大きく影響します。わたしたち大人は、そこを忘れてはいけないと思っています。
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