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2月8日は「にわとりの日」だったそうです。なるほど、数字とことばを体験させることもできますね。
今回はたまごを題材にした「先行体験」をご紹介したいと思います。その工夫には「論理的思考力」を高めるしかけも含まれています。中学受験をされる、されないに関わらず、たまごはわたしたちの生活に関係の深い食材のひとつなので、さまざまな教科で題材として扱われる可能性があります。また、難関私立中学対策としても有効です。「たまごを目にしたとき、少しずつ、くり返し」を大切に、継続してみてください。
目次
International Egg Commissionによると、
(日本人一人あたりの年間消費量)それは約300個だそうです。
そこで、こんなことばをきっかけに会話を進めてはどうでしょう。お子さんから期待通りの返事が返ってこなくても気にしないでください。お母さんのひとり言だわ、と感じられても、お子さんの中に残っていることが多々あります。ただし、教えようとしないでくださいね。
1人あたりの年間消費量、約300個って……
300個のたまごをイメージするところからはじめます。
通常、10個入りのものを購入することが多いので、10個入りが30パック分だよ。と伝えます。どんな反応が返ってくるでしょうか。
300は10の30個分、そんな体験をしてくれるかもしれません。
300と10の関係を10のかたまりで分ける体験は、かけ算、わり算、割合、比と、とても大切な学びへとつながります。
年間っていうのは1年間のこと。1年間は365日だから、毎日1個ずつ食べると365個。それより65個少ないんだね。1週間に6個くらい食べてるってことかな。
1年は365日あることを体験します。
365-300=65だと体験します。
1週間に6個、1か月には4週間あることが多いことや、1週間に6個ということは、1日食べない日があることに気がつくなんてこともあるかもしれません。多くの体験へのきっかけがここにありますね。
「消費」っていうのは「使う」っていう意味なんだよ。「消費量」っていうのはどのくらい使うかだね。ここでは「どのくらい食べる」ってことだね。
漢字の体験です。「消費」ということばは難しいですが、「消す」と考えると、日常生活の中で目にすることがあるかもしれません。
また、「消費期限」「賞味期限」は多くの商品パッケージで見つけることができます。
お母さんが「消費」っていうのは「使う」って意味なんだよ。と声をかけても、子どもは「ふ~ん」興味のなさそうな返事をすることがあるかもしれません。そんな場合、お母さんはそこで話をやめるようお願いしています。そして、別の機会に商品パッケージを手にして、「ここに消費があった!そっちの商品にはある?」なんて声をかけるようにします。
また、レシートには「消費税」の記載の欄がありますから、そこでも「消費」を発見することができますね。
今回は言語と算数関連の文言の体験です。
「○○あたり」は低学年算数で差が出るものです。また、「割合」の学習がはじまると、さらに重要になるので、できるだけ日常生活で「1人当たり○個/○円」100gあたり○○円/1日あたり/1回あたり」などで体験できますね。
「年間」「消費量」については、まずは言葉に慣れるようにします。漢字は難しいですが、意味がわかり慣れれば読めるようになり、使えるようになります。「年間」「消費量」などは算数や社会の学習にもつながります。もっと広く考えれば「論理的思考力」を育てる「比べる力」にもつながっていきます。
この話は子どもが興味を示した場合や、中学受験を目指している場合に使ってみてください。
囲みの文章と重複してしまいますが、重要算数項目のひとつ「割合」の土台となる「〇〇あたり」です。「もとになる数」や「AはBに対して……」などの表現の前に出てくることがあります。店頭販売のお肉売り場などでよく見かけるものです。ぜひ、くり返し体験して「慣れて理解する」をお勧めします。
数字やデータを「比べる」という体験は、①感じ方を比べる、② 大きさ、広さ、重さなどを比べる、③ もとになる記録と比べる(全国平均、昨年と比べて)などです。これらについてはたいてい「なぜ」を引き出せる糸口があります。そこで子どもに考えをたずねたり、自らの意見を伝える機会にしています。
また、世の中には「比べてはいけないもの」「比べられないもの」があります。それはどんなものなのかを考えたり、その理由を一緒に考えてみる機会にしています。
タマゴのからには目に見えない穴が開いていて、そこから空気を入れたり出したりしてるんだって。
へぇ~。タマゴも息をしてるんだね。
タマゴが息をしているというより、黄身だね。ヒヨコになる部分がある黄身が息をしてるんだね。
黄身がヒヨコになるんだ~
黄身の真ん中にある直径3mmくらいの「白い輪」のところが「胚盤」っていってヒヨコになるところなんだ。
お買い物でタマゴを買うとき、「賞味期限」を確認するようにします。
賞味期限が○月〇日までね。約10日間くらいね。おぼえておかないとね。
ぼく、ゆでタマゴが食べたい!
了解です!でも、ゆでタマゴは生タマゴほど長くは保存できないからね。冷蔵庫で3日くらいで食べてね。
なんで生タマゴの方が長持ちなの?
それはね…
タマゴの「賞味期限」は家庭内でも話題にしやすいですね。
まずは「賞味期限」を見て、「今日から何日か数える」ようにします。この体験は、算数の「数の学習」や「日暦計算」につながります。
そして、2種類のタマゴの「賞味期限」を比べるようにすれば、「比べる」「ちがいを発見する」という「論理的思考」を育てる体験ができます。
(*注)「賞味期限」とは「生で食べられる期間」のことです。
ゆでタマゴより、生タマゴが長持ちする理由についてです。
ひと言でいうと、生タマゴは生きていて、ゆでタマゴは死んでいるからです。
日常生活の中では「タマゴ」が「生きている」「死んでいる」という見方をすることはほとんどないですね。そして、生きていると「なぜ」長持ちするのか、をお子さんと考えるようにします。これらは「それまで当たり前だったもの」への視点を変え、「観点を変えた見方」を育てる体験になり、応用力が問われる小学5年生後半からの学習の土台を作ります。
「生きている」と長持ちするのは、生タマゴの殻に「気孔」という目に見えない小さい孔がたくさんあるからです。それを使って空気の出し入れをして黄身(卵黄)が呼吸をしているからです。
また、白身(卵白)に注目すると、白身に含まれる ばい菌を殺したり、腐るのを防いだりする成分(リゾチーム)を体験することができます。だから、黄身が呼吸をする空気の中に良くないものが含まれていても安心なのです。
でも、卵をゆでるとどうでしょう。呼吸をしていた黄身も、ばい菌や腐るのを防いていた卵白も死んでしまいます。だから腐りやすくなってしまうのです。
白身(卵白)の役割や黄身(卵黄)がヒヨコになるなどはお話しました。今度は内部構造の詳細についてです。
黄身(卵黄)の色はエサの色で決まります。トウモロコシが多いと黄色に、パプリカや甲殻類のエサなら赤くなります。また、殻の色は鶏の品種で決まります。黄身や殻の色は栄養価にはほとんど差がありません。
黄身(卵黄)をつつむように白身(卵白)があります。カラザは、黄身(卵黄)を中央に固定するはたらきをしています。カラザの成分はタンパク質なので食べても問題はないそうです。
ゆで時間が長すぎたことが原因です。15分以上ゆでると、白身(卵白)にふくまれるたんぱく質の一部が、熱によって分解されます。すると、硫化水素という物質が発生します。この硫化水素が黄身(卵黄)の鉄分と結合すると、暗緑色に変わるのですね。ゆで時間を12、3分以内にすること、そしてゆでてすぐに冷水で冷やすこと、冷水に酢を少し入れることなどがポイントです。
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