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サロン P・Q・R 4月/23’

はじめに

タイパ(タイムパフォーマンス/時間帯効果)を重視する世代

タイパという言葉があります。「できるだけ効率よくものごとを処理したい」という考え方から、「かけた時間に対する満足度」を高めることが大切だという価値観が重視されるようになっています。

若者の間で、どうしてタイパが重視されるようになったか

それはSNSの利用が広まる中で、圧倒的な情報量の多さが作り出した考え方です。

若者にとって保有する情報量が多ければ多いほどよい。そんな感覚があるのかもしれません。また、どんどんと情報が身近に流れてくるシステムになっています。友達とのコミュニケーションを維持するためには、効率よく情報を入手する必要があるのです。

効率がよく、安価で大量の情報を得られる動画配信サービスやSNS(InstagramTwitter、Facebook、TikTok)などのサービスが誕生したことで、若者たちの「タイパ」傾向が進みました。

また、SNSで注目される「トレンド」は時間単位で変化していきます。情報を入手するには時間との勝負ということになります。

若者はこのように映像を視聴しています

下記グラフ内の項目の説明(映画の視聴方法)

・ながら見:別の作業をしながら
・倍速視聴:再生速度を倍にして
・スキップ視聴:興味のないコンテンツを飛ばしながら
・ネタバレ視聴:事前にある程度の内容を把握しておく

AIの登場

今回は触れませんでしたが、みなさんはchatGPTをご存知でしょうか。
今後、AIがわたしたちの仕事を肩代わりするようになっていくことが予想されます。
今後のサロンやイベントにて、AI時代において「自分を活かせる仕事」とはどのようなものか、についてお話し、ご一緒考えていきたいと思います。

何を「軸」に家庭教育を進めるべきか

その子その子の興味に合わせた先行体験

小学校受験、中学校受験への準備を見据えながら、子どもの考える力や、やる気スイッチへの芽を育てる工夫が必要です。
サロンでお話したように、そのポイントは「お子さんの興味」「好きなこと」「集中できること」です。

変化の速いこの時代においては、「次世代の求める人材や求められる能力とは」を予測し、お子さんたちをけん引してあげなければなりませんね。

お子さんの興味の種を教えてください。

まずは、お子さんの「好きなもの」「集中できるもの」に注目してみてください。
そこから、ポイントをおさえて先行体験を選別していきます。
たとえば、数学、算数を例にあげると、数の四則演算から統計学的概念まででポイントは5つあります。それにそって先行体験を用意していきます。

お子さんの好きなものを教えていただき、そこから「刺激を与える糸口」を見つけたり、知識として体験していただける工夫を提案します。それがCASコースや子ども+(プラス)のコースです。

ただし、今、既にいくつかの習い事をされている場合は、「たくさん」「山盛り」与えることはお勧めできません。その場合は、お子さんの「好き」をお伺いして、サロンやこちらの専用サイトにて、その工夫をご紹介していきます。

まず「ぞうのさんすう」を題材に 

お子さんが興味を示したら、という条件つきで絵本の読み聞かせをしながら、小学校受験や中学校受験への工夫もご紹介していきます。今回は一例として「ぞうのさんすう」を題材としています。

今後、「ぐりぐらシリーズ」や「考える力(小学校受験も含む)」を育てる題材として「14ひきのあさごはん」「どんないえにすみたいの」をご紹介していきます。知識も大切ですが、「考える」機会をたくさん与えてあげてほしいと思います。

小学校受験と中学校受験

ふたつの受験には距離を感じられるかもしれませんが、実は密接に関連づいています。もう少していねいにお話すると、中学校受験で学習した内容の多くは、中学生で学習するものと大きくリンクしています。高校受験の内容は、中学校の学習内容に基づいています。結果、中学受験で学習したことは高校受験でも役に立つといえます。

ですが、ここで気を付けていただきたいのは、高校での履修内容は、グンと難しくなるということです。「自分で考える」「自信を育て挑む力を身に着けておく」「文章を読んで理解する力を磨いておく」「学習習慣を身に着けておく」というような「学習力」が求められます。

中学校受験を体験し、中学に行ってみたら受験で学習したことがいっぱい出てくる。だから…となってしまう。しかし、私立中学校では中学3年生から始まる高校内容では、中学校受験での貯金は底をついています。そこで苦戦する子がグンと増えてしまうのです。

また、私立中学に進学されると課題の多さに驚かれると思います。よって「学習力」にも含まれますが処理能力や集中力も、日々の学習を支えるものとなります。

公立、私立を問わず、中学生になったら勉強も大切ですが、13歳から15歳の間にしておきたい体験や、友だちとの時間など大切にしてほしいことがたくさんあります。

平日の授業の課題のほか、試験前や長期の休日の課題と、その課題の量は膨大です。試験勉強をしながら試験当日に提出する課題まである始末です。処理能力と集中力が求められます。日ごろから授業をしっかり聞いてできるだけ理解するようにしないと宿題に追われてしまいます。また、効率よく学習する訓練も大切です。

語彙は生き物として考えているので、学年に関係なくできる限り「文章内」で出てきたものを拾うように訓練しています。通塾がはじまるころには、思った以上の語彙力を獲得できますから、やってみていただきたいと思います。通塾が始まった生徒さんは、塾の国語教材を活用していただければと思います。

まずは「比べる」習慣へのきかっけづくりを

前述にてお話した用に、小学校受験、中学校受験ともに「比べる力」が求められ、それらは大学受験でも必要とされているということになります。ですから、幼児期や小学生低学年時に、必要な力を鍛えておくことができればいいですね。

そこで、幼児や低学年のころから何気なく「比べる習慣」を提案しています。これについては、今後、いろいろな機会を通して、ご提案してまいりますが、今回はその導入部として一部をご紹介させていただきます。

たとえば…

原則として、お子さんに関係があるもの(お子さんが興味を示しているもの)をきっかけとします。
親が市販のものを使って、その部分を強化するやり方では応用力までたどり着かないことが多々あるからです。
ご家族での食事シーンを例にあげると、それぞれにお気に入りのコップがあると思います。同じようにお水やお茶などを入れて使用するのですが、実はその入れ物の底面積の大きさで、同じ量の水を入れても高さがちがいますね。そこを不思議がることから始めます。

みんなのコップにお水を入れたよ。

ありがとう。みんなに同じ量だけ入れてくれたんだね。

うん。ほら、みんな同じ高さだよ。

同じ高さまでお水が入っていたら同じ量なんだ。ちょっと量ってみようか。

はじまりは上記のような方法でいいのですが、先行体験に慣れていらした先輩ママたちには、

(マイカップを手にして)みんなのそれぞれのカップに300㏄(300mL)ずつ、お水を入れてね。

*マイカップとは当方オリジナルの計量用カップです。詳細については、別の機会にてご紹介します。

上記のように量を指定しておいて、高さの差に疑問を持たせる体験に工夫を提案してきました。この方法であれば、「比べる」体験と同時に「かさ」の体験もできるので人気です。

算数とは全く別の分野である国語の読解力を育てる工夫にも「比べる」は活用できます。『ぞうさんのさんすう』や、他のご紹介書籍の活用方法で取り上げたいと思います。

子どもを伸ばす「軸」となる鍵は「時間」について

時間をかけずに物事を処理しようという考えが主流ですね。「効率がいい」「タイパ」(タイムパフォーマンス)などです。しかし、子どもの能力を引き出すには、いろいろな寄り道が必要です。特に、幼児期のお子さんの場合は、前項の「まずは「比べる」習慣へのきかっけづくりを」でもご紹介したように、小受ー中受ー(高受)ー大受と紐づいていますので、「時間」をかけるところ、「寄り道をする」ポイントを見極めて、日々を過ごしていただきたいと思います。

1:ぞれぞれの受験をむかえるまでに「お子さんの興味に合わせた先行体験」ができるように工夫することをお勧めしています。

2:子どもたちの生活に溶け込むように、ルーティンワーク(習慣)の構築をしていきます。

上記の「1」とは反する考え方になりますが、こちらは効率やタイパを考える必要があります。ただし、ここでのポイントはその工夫は親が提案するというのではなく、お子さんが考えたもの、決めたもので実践し、親は修正、改善の時点でサポートをすることが大切です。

3.何事も「自分で考える」という姿勢を育てていきたいですね。そこで、「2」の項目にもつながるのですが、できる限りお子さんが自分の考えを言える環境をつくってあげてほしいと思います。その考えが、たとえ失敗するだろうと思われても、危険でない限りはやってみよう。と受け入れていただき、失敗したら、そこをチャンスとして軌道修正をアドバイスするようにします。
社会は自分独自の考えを人に伝えられる人材を求めています。それには語彙力は必須ですね。その語彙を蓄積し、引き出す体験も必須です。相手の考えを聞き理解する国語力も必要です。

あらゆる受験に国語力が必要な理由は、ここにも要因があると考えています。
        

最後に

1:干し草についての情報は『ぞうさんのさんすう」のサイトでご紹介いたします。

2:4月中で結構ですので、お子さんのお好きなもの、集中できるものなどを教えていただけると幸いです。

3:次回のサロンは5月です。それぞれの会で開催の曜日や時間が異なります。ご確認をよろしくお願いいたします。

では、また5月にお会いできることを楽しみにしております。

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